破壊する白と創造する黒 - 秦雅則・エグチマサル

Date:
2009-05-29
Category:
PHOTOGRAPH

企画ギャラリー「明るい部屋」で開催中の二人展を観に行く。

二人展ではあるが、いわゆるグループ展の形式をとっているのではなく、共通の素材を使い作者ごとに制作を分けた作品が数点、共同で制作された大作が1点という構成であった。

秦さんの技法は「遊び言葉」、コラージュを施して写真上に簡素で明瞭なメッセージを刻む。エグチさんは「GIFT」、元のディテールが見えなくなるほどに絵の具を塗りたくっている。

展示されているいずれの写真もポートレートであるが、それぞれが個別に担当している作品郡は作者2人、共同作品はそれ以外の第三者が写っているものを使用している。個別に制作された多くの写真は、「遊び言葉」であれば個人の感情のシンプルさを、「GIFT」であれば個人の視点のあいまいさを強調しているように見えた。反面、壁一面を占拠するほどの大型な共同制作は、完成品であるのか未完であるのかも曖昧と見えるほど混沌としており、第三者のポートレートを素材として利用していることを踏まえてみると、個人を取り囲む社会性の膨大さを表現しているように見える。

美術作品が想像力を教育するためにあるツールだと捉えれば、今回の展示は個人の自意識が肥大する現代において、個人の持つ力の小ささと社会の広大さを認識させているのだと解釈することができる。

作品のスケールと、異なるコンセプトを持つ作品が同居する空間というものは、現実の空間でしか体感することができない。こういう作品については、ぜひ直に見、触れるべきだと考える。

企画ギャラリー 明るい部屋
http://akaruiheya.info/

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