なぜ若者は「半径1m以内」で生活したがるのか? - 岸本裕紀子
- Date:
- 2009-05-27
- Category:
- BOOK
07年に発刊された新書を読んだ。新書にありがちな刺激的なタイトルにまんまとひかれてしまったためだが、「半径1m以内で生活したがる若者」が本書で何をさすのかはきちんと調べなかった。一部の特徴としてというよりは、世代のおおまかな特徴といった書かれ方をしていたように感じる。だいたい以下のような内容だった。
- 不況を体感していて将来に不安があり、終身雇用を望むなど安定志向である。
- ガツガツした努力を嫌い、低めの自己評価をする。
- 個人主義とは反対の、集団主義である。
- 自動車離れをしている。また、高級志向を好まない。身の丈にあう生活を好む。
これらを特徴づけた原因は上記にもあるように「競争社会」であるとし、マッチョな生き方をする人間が暮らしやすい世の中を作り上げた結果、そうでない人間が自ら競争から離脱したために生まれたものだとしていた。
もとより「半径1m以内で生活する若者」というものを、僕は「変化を嫌い、既にある自分の領域から出ようとしない人間のことをいうのだろう」と決めてかかっていたので、もっと広義であったのに面食らった。それと同時に自分もその若者の分類に括られており、その特徴に共感するものがあったので、読んでいて前もって構えていたスタンスを反転する必要があった。
僕は変化を嫌う人間が嫌いだが、高級志向を好まず自らの生活を彩ることを重視する点では彼らとなんら変わりはない。僕の考えていたことは内ゲバだったんだなぁということがわかっただけでも収穫である。
この本は2年前に発刊されたものであるので、再び不況のどん底に叩き落された現在ではまた違った分析がなされることになるのか。世代間の相違なんて、その程度のものかな。
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