湊 雅博 写真展 - 環 fusion
- Date:
- 2008-11-17
- Category:
- 01_PHOTOGRAPH
水道橋のアップフィールドギャラリーへ赴く。湊さんの写真展が催されており、それを観に行くのが目的だった。
湊さんの写真展は、グループ展以外では2年前に同ギャラリーで行われた「累」を観に行ったのがはじめてで、今回は2回目。展示されている写真は前回の個展と同様、モノクロの風景写真で占められている。「まなざし」や「距離感・スケール感」など、コンセプトには共通したキーワードが見受けられる。
個人的に感じたものは前回と近かったが、差異をあげるとすればそれは「世界」にたいしての言及だった。写真の意味をそげ落とし、閲覧者の視点・観点に疑問を投げかけた「累」に対して、今回の「環」はその方法を踏襲しつつも、今度は僕らを取り巻く「世界」のあり方について閲覧者の意識を誘導したように感じた。
世界の在り様が複雑化した現在。僕らは世界のイメージを、実在の風景ではなく蔓延したデジタルデータのイメージから学びとりはじめている。それは自然だけではなく、風俗・生活・文化などにも至る。見果てぬ世界を探求しアーカイブ化した結果が世界の肥大を招いて、もはや世界は僕らの手が届かないほどに拡大してしまったが、肝心の僕らがおよそそのことに気づかないでいる。それに対しての疑念の投げかけがこの展示にはあって、無意図な、世界がプレーンに映し出された写真の群れは、僕らがこれまで捉えていた世界の在り様を破壊し、個人の視点の不安定さと、世界の広さを垣間見せる。
しかしながら、僕らの生活・文化は、肉眼で捉えるだけの場所から既に遠くはるかに離脱した。そのなかで写真やカメラというツールが今後いつまで世界の拡大についていけるのか、はなはだ不安ではある。
- アップフィールドギャラリー
- http://www.upfield-gallery.jp/
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