今日マチ子 - センネン画報
- Date:
- 2008-05-15
- Category:
- 04_BOOK
春のはじまりを知る草の匂いや、真冬のキンと冷えた空気の触感、図書館のかび臭さや川縁の水の匂いから感じられる情緒など、嗅覚や触覚を刺激されて感じるノスタルジーは誰もが経験したことのある感覚だろう。
僕は写真を撮りに多摩川へよく出掛けるが、なぜその場所を選ぶのかということについては、やはりそういった感覚に触れたいと思うところがあるのと同時に、その目に見えない感触をどうにかして写真のフレーム内におさめることが出来ないかという模索があるということにも因るだろう。
僕は未だそれを為せていないが、こと漫画というメディアにおいてそれを実践している人がいる。それが表題にある、今日マチ子さん。いくつかのwebサイト上で、仕事或いは私的な活動として漫画を掲載し続けており、僕はTumblrにpostされたそのうちの一部を見て虜になったのだった。そしてこのほど、彼女が個人的に継続してきたマンガ「センネン画報」が単行本化されたというので、今日さっそく購入してきたのだった。
webが本に適わないのは一覧性だ。1タイトルにつき1枚のjpgファイルでhtmlに貼り付けられweb上でそのボリュームを増していったこのマンガは、書籍というかたちに集約されることによって、これまでそのひとつひとつが醸し出していた生活のなかの小さな情緒をひとかたまりとして、そのなかに浸透できるだけの土台になったように思う。webはいずれこういった空間の役割も果たせるほどに発展するだろうが、それまではまだ本に触れていたい。だから、自分が今までwebだけでしか触れることのできなかった空間に没入することができるようになったのは嬉しい限りだ。
この本、六本木のABCには入荷されておらず、その他さんざん探して見つからず、帰ってきて下高井戸の駅構内の本屋に立ち寄ってみたら棚の一番上に目立つかたちで置かれていた。探し物は意外なところにあったりするものだと、改めて痛感した次第だ。
- センネン画報 - 太田出版
- http://www.ohtabooks.com/publish/2008/05/14120335.html
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