M. HASUI - PEACE LAND

投稿日 :
2008.5.02
カテゴリ :
01_PHOTOGRAPH

写真の展示を観に行く。表題がそれ、渋谷スパイラルにて。

作者は日本デザインセンターに勤務していた経歴があるそうだ。日本デザインセンターと聞くと思い浮かぶのは原研哉。周到なプレゼン力を誇るこのデザイナーと接点があったのかどうかは不明だが、この写真展においてもキャプションやコンセプトに留意して閲覧してきた。

写真はいずれも風景写真、6×17のパノラマ写真というのがユニーク。被写体は、海・湖・平野・森と様々であった。人が不在のものが多かったが、入り込んでいるものもあったので敢えて外しているようでもない。また、人工物が写っているものも多々あり、完全な自然を写したものでもないようだった。

写真は地平線や水平線をとらえていて、その位置は写真のフレームに平行に、且つ縦幅をほぼ均一に分断させる位置にあわせて収められており、その写真が捉えたものの異なる写真をすべてリンクさせている。キャプションには、光に対する畏敬すべての命に対する敬意という記述があった。すべての命というのは、被写体から察することができるように、人間に限らず動物や植物、惑星内の自然すべてに言い当てた言葉だろうが、そのボリュームの大きいテーマを一律のルールを設けた写真に収めまとめきっているのには、非常に感心してしまった。そこには平穏な世界が存在しているのみだ。

PEACE LANDという作品は、同作者の手によるもので今回が3作目だとのこと。1、2作目は今回のものとは違ってモノクロで、被写体も人間や自然、街などを近い距離から捉えたものだった。対人間で捉えていた作品が、それらを内包した世界を捉えたものに昇華されていく、その過程も興味深い。

パノラマ写真を撮影するために使用している機材はリンホフテクノラマ617(LINHOF617)とのこと。調べてみたら、ドイツ製のものだというところまではわかったのだが、値段や購入方法まではわからなかった。広く世界をまとめあげるために取り入れた手段がパノラマ写真だとしたら、逆に言えばそのように膨大なテーマを持ち合わせていなければ、とてもじゃないが購入には至らないカメラのように思えた。

展示は5月11日(日)までとのこと。スパイラルの展示は、毎度短いのでもったいないように思う。

M . H A S U I - photographer -(公式)
http://www.mhasui.com/

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