上田亜希子写真展 - かけら
- 投稿日 :
- 2008.3.15
- カテゴリ :
- 01_PHOTOGRAPH
水道橋のアップフィールドギャラリーへ、写真展を観に行く。表題がそれ。
展示されている十数点の写真の、ほとんどが花の写真。風景写真ではなく、物撮り。写真雑誌に載っているような満開期の花の写真ではなく、そこから枯れるまでの間の、しおれた花の写真ばかり。モノクロプリントなので色で枯れ具合を判断することは出来ない。一見するだけではいずれも満開の花に見えてしまったが、これは僕の先入観からだろう。
そして、撮影者に直接話を聞くことが出来た。枯れかけた花の写真をコンセプトに据えた理由、それは撮影者自身のメンタリティの反映によるとのこと。
今の生活に慣れ倦怠感が生まれるとき、誰しもそのなかに抑揚を見出そうとするだろう。それが動機付けとなって、写真やらなにやら、労働とは別の活動を始めようと試みる、というのはよく聞く話だ。しかしそれにはエネルギーが要る。若年期の活発さを失った青年期~壮年期の大人にとっては、エネルギーを失ったことを自覚してしまって、倦怠感が増すということもある。作者自身もその自覚があって、その倦怠感を枯れている花に置き換えたのだということ。
メンタリティを写真に投影するというコンセプトは世に溢れている。その大多数は、自己アピールに満ちていて、躁鬱どちらに触れても刺激的な装いのものが目立つ。しかしこの「かけら」という作品はその逆、メンタリティは色の無い静かな写真の裏側にひっそりと身を置いていた。こういう静かな表現方法もあるのだということを学んだ。
展示は3月30日(日)まで開催しているとのこと。
- 9POTATOES
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