黒のマガジン 復刊一号
- 投稿日 :
- 2008.3.02
- カテゴリ :
- 04_BOOK
以前このブログにもエントリーを残した、藤本和也氏の描く日本の青年のモラトリアムを題材にしたマンガ「ふらふらふらり」。とっつきやすい絵柄と、停滞する生活を描いたその背景、表裏のギャップが特徴的なこの作品だが、餅屋ブックスから発行されている作品集では未完のまま終わっている。続編はないものと勝手に思い込んでいたのだけれど、このほど作者自身のブログを閲覧していて、彼が別に発行しているミニコミ誌に続編が掲載されているということを知って、読みたい衝動に駆られた。メジャーな流通には乗らないミニコミ誌であるだけにすぐに購入、というわけにはいかなかったが、中野のタコシェに在庫があるらしいことを知り、休日に入ってすぐに足を運んだ。そして無事購入。ミニコミ誌のタイトルは「黒のマガジン」。藤本和也氏以外の作家も参加しているこのミニコミ誌だが、今回は「ふらふらふらり#8」についてのみ書き残しておく。
変化の少ない話の展開を続けてきたこの作品だが、#7のラストはめずらしくショックの残る内容で締められていた。今回の話はその続きから。青年の一人が部屋を引き払い帰省を話の起点として、残された男女4名の情緒的なやりとりが展開する。これまでそういう素振りは見せても直接的な表現はなかったので、これまた#7のラストに引き続き意外というか、ショックを受けた。二人の男は、片やその思慕を告げることが出来ず、片や女性を慰めようとするも彼女の悲哀の根元まで立ち入ることを許されず。青年のモラトリアムを描く作品は、この作品に限らず、恋慕に関わるシーンで男のふがいなさが目立つ表現が多いように思う。まぁそういう文化だということなんだろう、共感も大いに出来る。この作品自体90年代中期に描かれ始めたものだが、劇中携帯を使用するシーンが一切出てこないあたりその時代背景を堅実に守っているようで、その点好感があった。
そうして#8も終わる。90年代に描かれた作品も、これでようやく完結ということだろう。平穏な終わり方だったが、ひとつの作品が無事完結されたという納得感が感じられたように思う。そして何にしても一つのものが終わるというのは少しだけ寂しくもあった。
- 藤本和也のブログ(仮タイトル)
- http://gakuboukun.at.webry.info/
- タコシェにようこそ
- http://www.tacoche.com/
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