野口里佳個展 - マラブ・太陽
- 投稿日 :
- 2007.11.11
- カテゴリ :
- 01_PHOTOGRAPH
土曜日、写真の展示を観に行く。銀座、ギャラリー小柳で10月末から開催されている、野口里佳個展「マラブ・太陽」。
氏の個展は04年に原美術館で開催されていた「飛ぶ夢をみた」に次いで2度目。当時はまだ一眼レフに触れたこともなかった僕だったが、原美の入り口からすぐ左手のスペースにでかでかと張られた「潜る人」の写真を観て虜になって、そこから写真自体にどっぷり漬かることになってしまった。個人的にたいへん思い出深い写真家であるので、今回の展示の情報を夏に知ったときも、見逃さずに必ず行こうと心に留めておいたのだった。
ギャラリー小柳は山手線有楽町駅から徒歩10分程度の場所、小さなビルの8階にあって、広さはなかなか。このギャラリーに初めて行くのと、田舎モノが抱える銀座という街の印象から僕は、滅多な格好をして行っては恥をかく、といったような余計な先入観を持ってしまっていたのだけれど、雰囲気はそれほど他のギャラリーとは変わらない。それでも新宿にあるような小さな貸しスペースなどに比べると雰囲気はスマートな感じ。
今回の展示は題のとおり「マラブ」と「太陽」という2つの作品によるもの。キャプションなどはなく、入り口のカウンターに置かれている他者による解説文のレジュメがあるのみ。それを手に作品を観てまわる。ここでは「マラブ」の話をする。
マラブというのはアフリカハゲコウというコウノトリで、飛ばないトリだそうだ。写真はベルリン動物園で撮られたもので、ピンホールカメラを使用しているので全体がぼんやりとしている。動物園というよりも、雑木林のなかといった調子の風景、そのど真ん中にただ佇む一羽だけのマラブ。解説では絵画的とあるが、現実を切り取って仮想の環境を構築している点では実に写真的だと感じた。写真は組によって構築される世界観が仮想であってもそれを現実にあるものと空想させることができる。僕の頭の中では、そこは動物園ではなく、どこか人の手から離れた場所の静かな森の中が想起された。コンセプトに沿ってプリントや機材選びなどの手法を考慮する点は今後の参考にしたい。
3年前の「潜る人」では非常にダイナミックな写真家だと感じたが、その後別の作品郡を見ているなかでは、そういった写真だけではなく、小さく穏やかな写真を撮っているという印象を受けた。原美と今回の展示ではかなり印象は違った。一見して面白いと感じる構図をしているので、誰が見ても楽しめると思う。
- Gallery Koyanagi
- http://www.gallerykoyanagi.com/
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