天然コケッコー

投稿日 :
2007.8.04
カテゴリ :
06_MOVIE

渋谷まで映画を見にゆく。表題がそれ。

山下敦弘監督作品。この監督、新進気鋭と評され雑誌などところどころで名前を見かけ、ちょっとした流行のようで、僕もご多分に漏れずその流れに乗っかって、半年ほど前から三軒茶屋TSUTAYAで彼の過去作品を鑑賞していた。僕がこの映画を見に行った動機は、山下敦弘が監督だったから。

少女マンガが原作、脚本家の変更という背景もあってか、「リアリズムの宿」や「ばかのハコ舟」の倦怠感は、安堵感のようなものに変わっていた。空気の質みたいなものは変わっていないんだろうけど、登場人物がろくでなしの青年たちから小・中学生の子供らに変わるだけで、全体の印象がひっくりかえるのも面白い。

時折起こるハプニングも些細なもので、観ていてハラハラさせられることはなかった。この作品が子供たちの世界を中心に描かれていて、それを覗いている立場の僕がもう大人だからかもしれない。劇中のハプニングは子供たちの間で起こったことがほとんどだから、歳を取った僕にとっては些細なことに思えるのかもしれない。ただそういう大人から見ると些細な出来事でしかないことも、子供たちにとっては大きな問題だったりして、たとえばこの映画の主人公が、祭りで置いてけぼりを食らって友達に嫌われてると勘違いしたり、修学旅行で東京へ行って田舎との差に驚いたり、好きな男の子が別の高校に進学しようとしていていることを悲しんだり、劇中のそういう一つ一つの出来事にも、子供たちは一喜一憂させられるんだろう。実際にそういうシーンはシリアスに描かれていて、観ていて僕も、自身にもあっただろう幼いころの感情みたいなものを思い出した。そういう意味では、子供を主人公に添えて、その視点で世界観を演出しているこの作品の完成度の高さみたいなものを感じた。その点、非常に面白い映画でした。

幼いころを思い出すと、その単純さや実直さをうらやましく思ってしまったりして、この映画を観ている間はそんな子供独自の性格をひしひしと感じてしまって、感情移入をし過ぎてしまった。映画を終え、現実に引き戻されたときの倦怠感は相当なものです。

ちなみに映画の主題歌はくるりでした。

映画「天然コケッコー」公式サイト
http://www.tenkoke.com/

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