女生徒

投稿日 :
2007.4.12
カテゴリ :
04_BOOK

写真美術館にはミュージアムショップがある。チケットの購入窓口の向かい側に設けられており、あまり広くないわりに、休日に行くと常に客でごったがえしている。展示の図録から写真集、評論、トイカメなど、写真に関する書籍や雑貨が山ほど売られているので覗いているだけでも楽しい。先週末に展示を観に行った際にも帰りに立ち寄った。あらかじめ買おうと思っていたものなどなかったが、不意に一冊の本に見入った。帯に一文。

太宰の命がけの悪戦苦闘は、いつだって俺たちの勇気の源だった。

どこかで見覚えのあるような文句。このコピーは誰が書いたか?辿ってみると「宮本浩次(エレファントカシマシ)」とあるじゃないか。

本のタイトルは「女生徒」。太宰治の著作「女生徒」の文章にあわせて、佐内正史の写真を挿し込んでいる企画本。出版は作品社、聞いたことのない名前の会社だ。宮本がこんな寄稿をしているとは意外だった。エレカシの曲調から宮本と太宰との結びつきは僕のなかでは意図できるが、宮本と佐内とは結びつかない。共通項が見当たらない。

僕は1年ほど前、ある人に自分の写真を「佐内正史のようだ。」と評されたことがある。当時既に佐内は売れっ子であったから嬉しくもあったし、ミーハー気質を指摘されたようでそういう意味では複雑でもあった。その時点から僕は無意識に佐内の写真をまともに見ようとしなくなったが、今回宮本のコピーに惹かれてこの「女生徒」を購入。これが僕にとって佐内の写真にはじめて真っ向から触れるきっかけとなった。

この本の第一刷発行は2000年の9月。エレカシがgoodmorningを発売してすぐの頃だ。女生徒のなかの佐内の写真はエレカシのアルバム「ライフ」を連想させるが、それが発売されたのは2002年の6月、第一刷発行から2年近くもあとのことになる。この空気の一致したような実感は、僕の勘違いかもしれない。

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